製本・折りの種類

図面製本・図面折りは創業60年以上の技術継承者が行います

図面製本

図面の製本には通常、「観音製本」または「二つ折り製本」と呼ばれる方法を用います。観音製本とは、印刷面を内側にして二つに折り重ね、裏面どうしを糊で貼り合わせて見開きになる製本です。

綴じ(ノド)の加工が不要なため、180°完全に開くことが可能となり、平面での使用が前提とされる図面の製本に最も適しています。

大判図面の製本では、仕上げの表紙にダイヤボードという厚手の用紙を使用します。A3判の完成図書など、製本サイズによってはレザックという用紙を使用する場合もあります。

表紙と裏表紙を別々に貼り付け背にクロステープを貼って仕上げる観音製本(二つ折り製本)のほか、表紙・背表紙・裏表紙を1枚の紙でくるんで仕上げる「観音くるみ製本」があり、用途に合わせて選ばれます。

観音製本はその特性上、建築関連や土木関連などの図面を製本する際に利用されており、一般的には最小A3サイズから、大きいものでA1サイズの図面を製本します。

観音製本(二つ折り製本)

観音製本(二つ折り製本イメージ

観音くるみ製本

観音くるみ製本イメージ
180度開閉可能

観音製本は建築・土木関連の現場使用に最適です!

表紙について

ダイヤボード

ダイヤボードは、繊維の凹凸と樹脂加工が特徴で、軽い水濡れや汚れに強いため、現場作業用の設計図面に特に好まれます。また、製本図面の表紙としては広く定着しており、完成図・竣工図などほぼすべての図面で多く使用されています。発注元の行政府機関や業務によっては納品する図書の表紙にダイヤボードの色が指定されている場合もあります。

レザック

レザックは「レザーライク(leather like)」の略で、その名の通り、皮革のような凹凸を持った趣のある用紙です。レザックシリーズの中でも品番により凹凸のモチーフとなる皮革が異なり、「レザック66」というカーフ(子牛の革)をイメージした用紙が主に使用されます。レザックはその独特な風合いと幅広いカラーが好まれ、現場というよりも納品用の図書に多く使用されます。ダイヤボードのような樹脂加工はされていないため、野外での使用が多い場合にはダイヤボードをお勧めします。

図面折り

図面の折り方にも種類がありますが、基本的にはA2以上の大判図面をA4サイズに収める為の折り方が一般的です。図面折り・基本折り・A4折りなど様々な呼び方がされています。その中でも「四つ折り」、「八つ折り」、「ファイル折り」など、図面サイズや用途、仕上がりに合わせた方法で折り加工を施します。

現在はあまり用いられませんが、以前の消防など一部の申請書類でB5サイズがあったため、B5折りという折り方もあります。

図面はその用途により様々な仕上げ方があります。当社ではこれまでの経験と技術を活かし、ご要望に沿った仕上がりで大切な図面をお届けします。

四つ折り

四つ折りイメージ

八つ折り

八つ折りイメージ

ファイル折り

ファイル折りイメージ

図面製本の流れ

観音製本(二つ折り製本)

  1. 1.折り

    印字面を内側に真ん中から二つに折り、折り重ねたら背の部分に圧を加えてしっかりと折ります。

    図面を二つ折りにする
    図面を二つ折り
    折り重ねて圧を加える
    重ねて圧をかける
  2. 2.丁合

    折り重ねた図面の順番を確かめるために1枚づつめくって確認します。これを丁合と言います。

    丁合をとる
    手丁合
  3. 3.プレス

    更にプレス機で圧をかけ、しっかり折り癖を付けます。この工程を加えることにより、より美しく仕上がります。

    プレス中
    プレス中
    プレス前
    プレス前
    プレス後
    プレス後
  4. 4.糊付け

    図面をきれいに揃え、片側をしっかりと固定した状態で糊付けを行います。

    背となる側から奥行約2cmまで1枚1枚しっかりと糊をハケで塗っていき、背側がすべて塗り終わったら反対の開き部分も同じように糊付けします。

    「しわ」や「曲り」が起こりやすく、仕上がりに最も影響する工程の為、細心の注意をはらって作業します。

    背(ノド)側の糊付け
    背(ノド)側の糊付け
    余分な糊を除いて均す
    背の余分な糊を除いて均す
    開き(小口)側の糊付け
    開き(小口)側の糊付け
  5. 5.仕上げ

    表紙・裏表紙をつけたら糊の乾燥を待ち、背中以外の3辺を化粧断裁し仕上げます。

    背中にクロステープを巻いて仕上げます。仕上げ前の最後に、きちんとすべてのページに糊が付いているか、乱丁・落丁がないかを確認し、完成です。

    表紙の貼り付け
    表紙の貼り付け
    断裁機で化粧裁ち
    断裁機で化粧裁ち
    クロステープ仕上げ
    クロステープ仕上げ
完成イメージ

完成!

図面折りの流れ

四つ折り(A2図面のA4折り)

四つ折りイメージ 四つ折り完成イメージ
  1. 1.

    印字面に汚れや傷が付かないように注意しながら図面を裏返します。

    裏返し
    裏返し
  2. 2.

    長辺を半分に折ります。A2判の場合はこれでA3サイズになります。

    半分に折る
    半分に折る
  3. 3.

    さらに半分に折って完成です。A2判図面がA4サイズになりました。

    さらに半分
    さらに半分

八つ折り(A1図面のA4折り)

四つ折りイメージ 四つ折り完成イメージ
  1. 1.

    図面をオモテが開いた状態で広げます。

    オモテを開く
    オモテを開く
  2. 2.

    長辺を半分に折ります。A1判の場合はこれでA2サイズになります。

    長辺を折る
    長辺を折る
  3. 3.

    二つ折りの片側をめくり、短辺を半分に折り返します。反対側も同じように折り、蛇腹折りの状態にします。

    折り返し
    折り返し
    蛇腹折り
    蛇腹折り
  4. 4.

    タイトルが外面になるよう半分に折って完成です。A1判図面がA4サイズになりました。

    タイトルをオモテに
    タイトルを外面に

A4ファイル折り(A1図面の例)

四つ折りイメージ 四つ折り完成イメージ
  1. 1.

    図面をオモテが開いた状態で広げます。

    オモテを開く
    オモテを開く
  2. 2.

    短辺を半分に折ります。

    短辺を折る
    短辺を折る
  3. 3.

    左上を支点に斜めに折ります。ここで開いた短辺(図面の左下に当たる)部分がファイリングする際の綴じ代になります。

    折り返し
    折り返し
  4. 4.

    斜めに折った左側からA4短辺分(210mm)を測って折り返します。正確な寸法にするため、型紙などを使います。

    左からA4サイズ分
    左からA4サイズ分
    折り返し
    折り返し
  5. 5.

    同じ方向へ(左から右に向かって)さらに半分に折ります。

    同じ方向へ
    同じ方向へ
    半分に折る
    半分に折る
  6. 6.

    折った面の右上頂点を、左上頂点へ合わせるように折り返します。この際、折った面の内側は折り込まず外に出します。

    折った面を起こす
    折った面を起こす
    内側を外に出す
    内側を外に出す
    頂点を合わせて折る
    頂点を合わせて折る
  7. 7.

    ここまで折った状態で裏返し、先ほど裏側にあった面の左上頂点を右上頂点に合わせて折ります。この際、先ほど表側で折った面は残します。

    裏返し
    裏返し
    裏側にあった面だけ
    裏側にあった面だけ
    頂点を合わせて折る
    頂点を合わせて折る
  8. 8.

    一番外側の面の右下を三角に折り、図面タイトルが見えるように仕上げて完成です。

    タイトルが見えるように
    タイトルが見えるように